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V_museum.

matsushige and hayashi

6.急がれる永久保存と公開の手だて

  被爆写真の撮影から半世紀、時間は容赦なくそのスチール・ネガを蝕んでいる。管理保管している個々人の責任の問題としてではなく、過酷なあるいは不十分な戦時下の条件の中にあって撮影され、現像された歴史的な映像は時々刻々、失われようとしている。
  例えば、私たちの市民運動を支えて下さった大切な写真家菊池俊吉氏が、一昨年急逝された。菊池さんは原爆被爆をふくむあの戦争にかかわる6万点のネガを残された。これらの整理、保存、資料としての活用など、いずれも個人としては背負い切れない時間と労力、そして資金を必要としている。悩みは、他の方の場合でも同様であろう。その上、写真資料(被爆にかかわる映画フィルムなど映像資料も同じだが)の読み取りと、その背後情報の整理作業が、後世のためには欠かせない。
  それができる人々はすでに少なく、その方々の高齢化が遠からず作業を拒み、やがて不可能にする。資料整理・永久保存の時間的限界は、目前に迫っている。

  私たちが資料を収集・発掘して編集発行した写真集『アウシュヴィッツの記録』『銀座と戦争』に収録されている写真類も、また、同様の運命にある。

  この写真展『核=半減期』の開催を機会に、青島幸男知事に「平和のための写真・映像資料保存館」の設立を提案したい。そして願わくば臨海副都心に、ヒロシマ・ナガサキの常設展示場をふくむ、世界の不戦を誓い平和の大切さを説得する平和博物館が、アジアの人々を含んだ諸外国と協力して創れないものか。これが、この20年間、平和のための市民運動に参加してきた百数十万の人々、すべての願いである。


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