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GrounZero title

1.東京都庁で初の原爆写真展

  被爆・敗戦50年目のこの夏、東京都庁1階の「都政ギャラリー」で、『グランド・ゼロの姿と実相=ヒロシマ・ナガサキ被爆写真展』が開かれた。8月1日から9日までと短い期間ではあったが、この原爆写真展には二つの大きな意味があったと考えている。
  スミソニアン博物館のヒロシマ・ナガサキ展示は昨初秋には、米退役軍人関係団体の圧力によって被爆の実情を「3万フィートの上空」から眺めるものとなっていた。核兵器が人間に与えた悲惨を極力隠そうと試みた結果であり、やがて中止の運命をたどった。だが、明らかにされなければならないのは、そのさく裂した真下の町で地上で、いったいどんな惨劇が起こっていたのか、その人間被害の実相であろう。都庁の写真展に「グランド・ゼロの…」と題したのには、そうした意味が込められていたし、展示した約80点も二つの町の人々の惨状と悲劇の現実を物語る記録に、思いきって絞られていた。

  こうした写真展を「共催」とはいえ、東京都が開いたことの意味は限りなく大きい。被爆後50年にして、本格的な原爆展が初めて都庁内で開催されたのである。そこで、事実上の主催者であった「平和博物館を創る会」写真・映画両委員会メンバー、並びに写真の引き伸ばしと焼き付け、額装を担当したエキスパートの方々、展示設営、受付案内などなどを進んで引き受けたボランティアの人々(その中核はJR東労組青年部と埼玉県春日部市武里団地に縁のある主婦たちであったが)にとどまらず、都庁内関係者の意気ごみにも、ただ事でないものが感じられた。
  青島幸男知事の新都政発足間もない、しかも都市博覧会を中止した東京が、世界の都市に向かって敗戦・被爆50年目の夏に、何を発信するのかにもかかわっていると、思えたからであった。


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