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4.NEC社会貢献推進室から救いの手

  話は少し横道にそれるが、市民運動を通じて知り合った十数年来の私の友人に、サンフランシスコに在住する記録映画作家の夫妻がいる。クリストファー・ビーバーとジュディ・アーヴィンである。かねて彼らを山端さん一家に紹介したのは私であった。そんな縁から、彼らは一昨年の春、山端写真展を2年後の今年夏にアメリカで開催することを決意した時、改めて山端祥吾さんを紹介してほしい旨の依頼をしてきた。私は喜んで仲介の労をとり、サンフランシスコ、ニューヨークでの写真展開催が決まった段階で、前述したように山端さんと長崎を訪れ、本島等市長との会見をセットしたことがあった。
  そんな経過の中で、アメリカで山端写真のコンピューター修復のアイディアが生まれた。クリスとジュディは、サンフランシスコのある会社のマッキントッシュ・コンピュータを借りることが可能になったからであった。その結果、いまも(8月下旬)コンピュータ修復写真展は『ナガサキ・ジャーニー』の題名で、アメリカの二つの街の有名なフォト・ギャラリーで、大好評のうちに開かれている。
  同様の展示 は、長崎市でも今年8月5日から17日まで開かれた。主催は長崎市、企画はクリスとジュディと彼らのプロダクションであるIDG FILMS。協力タイトルには、山端祥吾氏と平和博物館を創る会の名前が並んでいた。

  さて、話を戻しましょう。私は「うっすらと写っている」建物の米軍撮影写真を、NHKの経費持ち招待でこの4月に来日した、クリスとジュディに手渡した。彼らは一目惚れした恋人のように喜んだ。そして、その瞬間私は松重さんの写真を、何とか日本国内でコンピュータ修復しようと決意した。
  私たちの事務所と目と鼻の先ほどの近間にある企業、といってももちろん親戚筋、友人筋と言うわけにはとてもいかない大企業だが、強いて言えば、阪神大震災時の救援活動が縁で、社会貢献派的お付き合いをしてきた企業があった。NECとNECドキュメンテクス社(いずれも、本社は東京都港区)である。
  思いきって技術協力をお願いした。幸運が訪れた。NEC広報部社会貢献推進室とNECドキュメンテクス・マルチメディア制作部/写真部の技術陣が、一も二もなく進んで協力を約束してくださったのである。もちろん無償の技術協力であった。


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